みなさんこんにちは。新米猟師のハンターライフ、カエデです。
この記事では狩猟歴5年のカエデが鴨猟に出かけてから鴨へ発砲するまでの流れや注意点についてまとめています。
個人の経験からのまとめ記事であり内容を法的に保証するものではありません。狩猟は自己責任で行いましょう。
こんな人におススメの記事です
・狩猟、鴨猟に興味がある方
・狩猟免許を取得しこれから出猟することを考えている方
・効率的な鴨の探し方、池選びのコツを知りたい方
※この記事は3分で読めます
鴨猟にはいつ出猟するべきか
狩猟ができる期間を猟期と呼びますが、その期間は県と動物によって異なります。兵庫なら11月15日から2月15日まで。鹿、猪は3月15日までです。今回はその期間の中で最も鴨を狙いやすいタイミングについてお話しします。
鴨は猟期序盤が狩猟しやすい
鳥は3歩けば物事を忘れると言いますが鴨はそんなことはありません。
猟期終盤の鴨は小さな物音でも逃げるようになります。
特によく狩猟が行われている池では警戒心も高く、最初から木の死角に隠れていたりそもそも池に寄り付かなくなります。
猟期序盤なら池の真ん中でのんびりしていることが多いです。
ただし、狩猟の解禁日は猟師が多く池を巡回しているため初心者は避けた方が無難かもしれません。
出猟するなら平日の早朝を狙うべき
発砲は日の出から日の入りまでです。
その日他の猟師に先を越されれば、当然その池から鴨が逃げてしまいます。
そうなると陽が高いうちに再び鴨が池にやってくる可能性は低いです。
基本的には一日一度のチャンスだと考えましょう。
特に他の猟師と猟場が被っている場合は一帯の池から鴨がいなくなります。それを避けるための早朝狙いです。
平日の狩猟をおすすめするのも同じ理由です。
休日猟師は意外と多く、特に仕事をしながら狩猟をしている人は休日に気軽に鴨猟でもと遠出をします。可能なら平日に回った方が良いでしょう。
また休日は地域住民の方も山菜取りなどで山に入ることが多いです。平日の方が人が都市部に出払いますので安全の面でも良いですね。
鴨猟は雨の翌日がねらい目です
車で川沿いを走っていると川鵜と鴨がのんびり泳いでいるのをみかけることもあると思います。河川は池に比べて発砲できない場所が多いため鴨が集まるのですね。
しかし雨で川の水が増水すれば流れが速い場所では鴨が滞在できなくなり、池に避難していきます。
つまり雨の翌日は池で鴨に出会える可能性が高いです。あくまで目安でありジンクスに近いですが。
猟期を早く迎える裏技
猟期は県ごとに異なります。
狩猟は県ごとに申請を出しますが複数の申請を出すことも可能です。
つまり、あなたが狩猟者登録しようとしている県よりも早い猟期を設定している県に登録することでいち早く狩猟を開始することができます。
もっとも料金が2県分かかるため本当に待ちきれない人限定です。あるいは他県の知人や先輩猟師と狩猟を考えている人なら複数の登録を出すことは珍しくないのかもしれませんね。
どこへ出猟するか
川よりは池を狙う方がおすすめです
地域によりますが、基本的に日本の川は幅も狭くよほど上流に行かなければ発砲が可能なほどの場所は少ないです。
狩猟が可能なほどの川は視界が開けており隠れて接近することも難しいので最初は池で鴨猟することをおすすめします。
農業用のため池で数を狙う
これは猟期序盤に効率の良い狩猟場所です。
グーグルマップなどを見ればわかりますが日本はとにかく山が多く民家は山と山の間を縫うようにして建てられています。
山の外周には農業用の池が存在し、基本はその池を回ることになります。
農業用のため池は管理の関係上山の浅いところに設けられていることが多いため短時間で数を回れるためおすすめです。
ただし、民家に近いこともありますのでそこが狩猟可能か人がいないかどうかの見極めは慎重に行いましょう。
また、人口の池はすり鉢状でいきなり深くなっていることがあるため誤って落ちないように気を付けてくださいね。
山奥の池を狙う
猟期の終盤に確実に鴨に出会いたい人向けです。
山の深くにも数は少ないですが池が存在します。そういった場所は猟期の半ばになると大量の鴨がついています。
鴨も狙われる池を学習します。他の猟師の立ち入りにくい山奥の池はそれだけでねらい目ですよ。
さらに、山中にある小さい池は、助走をつけなければ飛び立てない海ガモがいつくことができません。
そのため美味しい陸ガモに出会える可能性が高いです。ネックは数を回ることができない点ですがビッグチャンスに挑戦してみるのも良いかもしれません。
まとめると
鴨猟は初心者猟師に向いています
鴨猟は狩猟でもメジャーな部類であり難易度も他の狩猟に比べて低めです。
鴨猟と聞けば難易度が高そうなイメージがありますがそんなことはありません。広大な山野に散っている他の狩猟動物とは違い、鴨は池を回ればほぼ確実に見つけることができます。
鹿やイノシシは一人で歩いていても早々で会えませんし発見できても高確率で逃げられてしまいます。
マップで事前にあたりをつけている場所を効率よく周れる鴨は個人の銃猟で最も狩猟しやすい獲物であると言えるかもしれません。
狩猟可能な場所は?
狩猟での事故も発生し、猟師に向ける世間の目は少しずつ厳しくなりつつあります。
有害な鳥獣を駆除してほしい。でもウチの近くでは狩猟しないでくれ。
そう考えるのも人間なら仕方ないことかもしれませんね。では猟師はどうすれば良いのでしょうか。
この池、狩猟可能ですか?
狩猟可能な区域については都道府県ごとに狩猟可能場所・禁止場所が定められており、休猟区や鳥獣保護区のほか公道や寺社境内等では 狩猟が禁止されています。
…というようなことがテキストには書いてありますし、免許を取得する頃にはこのあたりは嫌というほど講習で耳にすることになります。狩猟読本の方がはるかに正確なので、詳しくは省略します。
それでも一猟師の立場から言うならば【無難な池】でやると良いですよ、としか言えないです。
猟友会には入っておいた方が良い
地域によりますが、普通は無駄に酌をさせられたりするなどの嫌な経験をすることはありません。
猟友会は大所帯であり、だいたいはその中でグループに別れています。ギルドとパーティメンバーとでも言えば伝わる人には伝わるでしょうか。
基本的には所属を自分で選べますし、警察の要請による年に数度の会合はありますがその中で気が合った人がいれば一緒に鴨猟に行ってみるくらいの感覚で良いでしょう。
色々とネットで得にくい生の体験談を教えてくれるため一度はお世話になることを強めに推奨します。
猟場で人に出会ったら元気に挨拶しよう
「こんにちは!おはようございます!」
堂々とあいさつしましょう。何も間違ったことはしていないのですから。
それに元気にあいさつをされて悪く思う人はほとんどいません。
たまに「ちょっと銃見せて」という人がいたりしますが、見せるときは裸銃としてしょっぴかれないように注意してくださいね。基本的に、銃を他者に触れさせるのは違反です。注意しましょう。
池を巡るときに注意すること
銃弾と免許を車に放置しているのは携帯しているとはみなされない可能性が高いです。
万が一の逮捕を避けるためにも、しっかりとルールを守りましょう。
狩猟免許は【携帯】していなければだめです
警察に免許の提示を求められた時ドヤ顔で見せられるようにポケットに忍ばせておきましょう。
「車にあるから!」は「先っちょだけだから!」と同レベルでアウトです。
猟師の厳しい立場を汲んでくれる警察は少ないながら存在しますが、その厚意は期待するものではありません。
弾を車に置いていて盗まれる事例も
田舎の田んぼの周囲は必ず地域の方の縄張りです。
あなたは見られていないようで見られています。
それが悪意ある相手なら、車から弾を盗むくらいはやります。農家のおじさんは純朴な方ばかりではありません。自分の管轄する場所だと認識していれば、恐ろしく残忍になることもあります。
オレンジベストを見ただけで通報するマニアな方はたしかに存在するのです。
猟場に入るまでは銃の覆いを徹底する
散弾銃を人前で露出して移動するのは裸銃と呼ばれる違法行為となります。
我々はある種の社会的弱者です。銃を持つ者の責任という格好良い言葉で装飾されたりしますが、要は指をさされればアウトということです。
話が外れました。とにかく、大切な相棒を守るために隠居した仙人のつもりで立ち回ってください。
私は免許取りたての頃にそのあたりの認識が甘く、今思えば冷や汗が流れるようなシーンがいくつかあります。
溝と柵をまたぐ時はケガにつながるので慎重に見極めを
狩猟中に限らず山の中は街中よりも危険です。今回は池の周辺で考えられるトラブルについて紹介します。
溝に注意しましょう
農業用の人工池には田畑へ水を流すための直角な溝があります。木板をかけただけの足場は崩れるかもしれません。注意しましょう。
柵を乗り超える場合は足場に気をつけて
シカ、イノシシよけの柵を乗り越えることもあるでしょう。
簡単に乗り越えられそうですが、溶接が外れて柵が落下、突き刺さって大けがと言うこともあり得ます。というかあります。注意してください。
一番は管理者から出入り口のカギを借りたり出入り可能な場所を探すことですが、管理者の中には柵を開けることを嫌う人も多くガチガチに施錠されていたりもします。
※ここでの柵は個人の土地を囲う柵ではありません。個人所有の柵で囲まれた土地での狩猟は禁止されています。あくまでも猪、鹿侵入防止のために自治体などが設けている柵のことです。
すり鉢池と底なし沼
池に降りたは良いけど上がれにゃい
なんだか木に登った子猫みたいだにゃと鼻で笑った方、馬鹿にしてはいけません。
たしかに体力お化けな猟師なら銃を背負っていようがなんとでもなるのかもしれませんが、少なくともカエデは一度池から上がれなくてうんうん唸ったことがあります。
池というのは【ひ】の形をしています
この形のおかげで近づくときは助かるのですが、回収する時が大変です。
底なし沼モドキ、半身浴は覚悟しましょう
何としてでも狩猟した鴨を回収したい!そんな一念でドロドロの足場を歩いています。
この動画は反面教師です。
裸足ではガラス片などで大けがをするリスクもあるため、この場合は落ち着いて板などを持ち込むことが正解だったと思います。泥の足場は本当にきついです。この動画はだいぶ昔のものなので、動画内の解説は今と意見が違っていることも多いです。視聴する場合は話半分で聞いてください。
鴨へ接近する時のスニーキング概論
池に到着し、鴨に気付かれずに種類を判別してからようやく散弾銃を発砲できます。ここでは鴨に気付かれないために注意するべきことを紹介します。
鴨と人間は音に敏感です
静かな池において、我々猟師は明らかな異物です
【ひ】の字型の池の斜面に沿って腰を落として静かに接近しましょう。
鴨は音に敏感ですが、猟場は屋外であるため静かに草をかき分ける音くらいは許されます。
手前斜面についているカモにはそれでも気付かれる場合がありますが10メートルも距離があれば静かに近づけば高確率で先手を取れます。
その池、周囲に人の生活音が聞こえますか?
草刈り機の音、遠くの笑い声、車の走る音などが聞こえるならチャンスです。
鴨は音で逃げるのではありません。いつもと違う音で逃げるのです。
車などの機械音に慣れた鴨はすぐには逃げないこともあります。カモにとって池の上は安住の地であり、できればそこから飛び立ちたくないと思っているのです。
それでも銃の装填はギリギリで行いましょう
上下二連銃持ちの私にとって一番大きな音は弾を散弾銃に装填する時のカチリという音です。それは池のヘリまでの登り中に済ませます。ヘリについた時は発砲可能な状態です。
装填は直前に行うことが安全のために必須ですのでなるべく近くで装填するようにしましょう。
気付かれなければ鴨の鳴き声を聞く余裕も
グエグエというのんびりした鳴き声が聞こえたら鴨が至近距離かつこちらに気付いていない可能性が高いです。かなり期待値が高いです。
小隊で行動するカモ軍曹
鴨はツガイか群れでいることが多いです。鴨の索敵能力が高まりますが数が増えるぶん逆にチャンスでもあります。
鴨は群れで360度の視界を確保しています
一羽に見つかればグワグワという警戒音とともに群れの単位で鴨が逃げていきます。
たまに逃げ遅れる鴨がいる
飛び立つ鴨。がっかりです・・・あれ?
よくよく観察すれば、池のヘリ、木の枝の下に隠れてやりすごそうとしているカモがいることがあります。逃げられた!と思ってももう一度じっくりと確認してみてください。その際、銃口がどこを向いているか忘れないようにしてくださいね。
なおこの行動は陸ガモに多いです。海ガモは潜るかすぐに助走して飛び立つイメージです。
鴨を見つけた!狩猟で一番心躍る瞬間の対処法
鴨を探しに来たくせに「マジか!鴨いるじゃん!」となるものです。慌てず騒がず種類と後方の安全、射角の確認。逃げられたら仕方ないと割り切りましょう。
下見をしていれば数秒の確認で足ります。このあたりは経験次第ですが、もちろん余裕をもって確認するほうが良いです。銃はすでに装填済み。これなら遅くとも鴨の飛翔に合わせて発砲することができます。
その鴨は撃って良い鴨か
遠距離カイツブリ紛らわしすぎ問題。だいたいは鴨と微妙に異なる仕草と小ささで判別できますが距離での判断ができない初年度は苦労しました。
そしてオシドリはカラフルすぎてわかりやすいから好き。でも鴨の方がもっと好き。でもでも非狩猟でもがっかりしない。ほんとかわいい。狩猟中にほっこりできる癒しです。
逃げやすい鴨、逃げにくい鴨
一部の海鴨は特に警戒心が強く、池にいないと思ったらすでに潜った後だったと言うことも。スイーっと水中を泳ぐ影に愕然。なお2時間待ってもでてきません。木のうろへ退避済みです。次に行きましょう。
キンクロハジロなんかは特にのんびりしているイメージ。でもそれほど美味しくない…。
警戒心の高い海ガモ>陸ガモ>警戒心の低い海ガモの順で難易度が高いです。
外れたら空薬莢を回収して次の池へ
私の地域なら池を10か所も回ればどこかで鴨に出会えます。
午後から回っても効率が悪いため、だいたいは午前中で切り上げます。だめなら明日があるのさなんくるないさ。
鴨の寄り付きやすい池というのも徐々にわかってくるようになるので、空振りでも楽しんで周りましょう。
新米猟師カエデ流、鴨猟の効率よい周り方をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
鴨猟に必要な道具などをまとめた前記事は↓です。
次記事では実際に発砲して鴨を仕留め、家に持ち帰るまでの状況判断や流れについてまとめています。
猟期5年の新米が偉そうなことを書いているとは思います。
文字にすれば大仰ですが、実際やっていることはそう高度なことではありません。この記事を読んでくれている新米猟師の方でも、本気で鴨猟に取り組めばあっという間に私を追い抜かすことができると思います。
この記事がそれまでの参考になれば幸いです。
それではまた次記事でお会いしましょう(*´ω`)
カエデ
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