死霊術師の人型兵器開発日誌とは
小説家になろうとカクヨムに投稿されている無料ネット小説です。本編完結済み。
ロボ×戦記×人生な作品です。全体としての雰囲気は明るめ。シリアス要素はありますが鬱にならないタイプの作品です。
記事作成時点でのなろう評価は11300ポイント。隠れた名作というか、これはもっと評価されるべきですね。
読んでみた感想や、どんな小説を求める人におすすめかを紹介していきます。
※この記事は3分で読めます。
死霊術師の人型兵器開発はどんな話?
この作品にタグをつけるなら
ロボ 人生 戦記 神話 ハイファンタジー 芯のあるヒロイン 正統派王道 歴史 雰囲気明るめ 裏切り シリアスあり だいたいハッピーエンド もっと評価されるべき
ガンダムというよりはエヴァンゲリオン?独自の世界観
魔物や迷宮が存在するファンタジーな世界に、魔導騎士というロボと死霊術という要素をミックスしたオリジナリティのある世界観が魅力です。
魔法についても独自の系統があり、それぞれ掘り下げた設定があるため新鮮な気持ちで読むことができるでしょう。
七つの大罪とか、神話要素も登場します。ロボは主役ですが、あくまでも世界を構成する要素の一つというイメージですね。
生涯を仲間と魔導騎士に捧げた主人公の物語
【序盤】は仲間たちとともに学園で失われつつある技術である人型兵器【魔導騎士】を作り出そうとする物語。
【中盤】は全てを奪われた主人公が雌伏の時を経て、残った仲間たちとともに失われたものを取り戻そうと行動を起こす物語。
【終盤】は戦いの中で世界の謎に迫り、歴史のターニングポイントへ突入していく物語。
挫折と復讐、人死にがありますが
暗さはそれほどでもないです。運命に翻弄された悲劇という感じ。陰湿なアレコレや露骨なザマァは出てこない。
全体としての雰囲気は明るめで、読めば元気が出るタイプです。寝取りや胸糞要素はほぼ無いと言っても良いでしょう。少年ジャンプのレベルですね。
もちろんシリアス展開があり、全てが報われるわけではありません。
それでも読んでいて鬱になる作品ではないため安心して読んでみてください。
作者【梅上】あらすじ
カルロス・アルニカは代々続く死霊術師の家に生まれた。だが辛気臭い、見た目がグロイ、そもそも使えない魔法と揶揄される死霊術を嫌った彼は王立魔法学院への進学を機に、対龍人型兵器――魔導機士の研究に傾倒していた。
既に失われてしまった魔導機士の製造技術。それを再び取り戻すべく毒舌美少女な公爵家令嬢の相棒と二人研究を続ける。
そんな中、研究成果も相棒もすべて奪われた。最後に残った己だけで、カルロスは奪われたものを取り戻す戦いに身を投じる。そして戦いの中、死霊術が魔導機士の製造に深く関わっていることを知る。
死霊術師の~の感想やジャンル、面白い点
なろうではちょっと珍しいロボもの。3人称です。
死霊術師の名家に生まれた主人公が人型兵器の開発に没頭。運命に翻弄されながら手に入れ、失い、取り戻す。その世界と時代、人生の物語です。
序盤はヒロインや仲間たちと独自技術でロボを開発する物語です。普通に面白く読めます。
芯のある毒舌メカオタ令嬢なヒロインは魅力的です。キャラがしっかり考えて行動しているのは良いですね。
主人公は予告されていた陰謀に巻き込まれて多くを失います。そしてヒロインを取り戻すために自らを磨いて立ち上がります。
しかしその時点では世界も主人公の空白期間も謎に包まれており、ヤキモキした気持ちで読み進めることになるかもしれません。
オリジナルのロボを操り、さらに死霊術を活かしたワンマンアーミー。暴走エヴァでザクやジムをボコる的な展開もあります。
しかし敵も有能。すぐにジムスナイパー、果ては巨大要塞やジムⅢレベルの敵がゴロゴロと出てきます。
主人公は強いですが無双ではありません。ヘタレで無能なこともあります。戦闘描写は丁寧ですが少し目滑りするポイントもあります。しかしそれはあくまでもなろう基準の話であり、普通の物語として考えればストレスにならない範囲だと思います。
いろいろな謎が明らかになり始めるのは200話前後であり、後の歴史からの考察や、大罪とか神権などの代表的なファンタジー要素が混じり始めます。そこまで楽しく読めたかで評価が分かれそうな作品かもしれません。
ライバルと競いながら新たな機体を開発したり魔導騎士で迷宮に突入したり。もどかしく、それでいて一気にいくところは一気にいっちゃうイケメンヒロインとの関係など、100万文字の作品らしく魅力あるエピソードがしっかり盛り込まれているのも面白い。
序盤では名前も覚えにくいわき役は終盤に向かうほど良い仕事をしたりと、王道物語ならではの終盤の伸びの良さが好感触。
作品全体としての雰囲気は明るく読みやすいです。ただし人死にも発生するシリアス展開が予約されていること、文章のレベルはそこそこ高いものの誤字脱字が多い点が脱落ポイントかと思います。
ラストの完結は文句なし。満足感が高いです。
王道ではありながら、完全なハッピーエンドかと言われれば違うでしょう。
しかしある意味ではこれ以上ない終わり方かもしれません。
歴史に刻まれることがあれば、刻まれないこともある。それでもかつて失ったものを取り戻した主人公たち。
一つの物語の締めとして満足を感じるものでした。このレベルの完結でなければおそらく☆4にしていたと思います。
他の感想やレビューの声
※なろう本家レビューより抜粋しています。
・ロボットと死霊魔術を織り交ぜた珠玉の作
・奪われたものを取り戻せ
小説情報
作者:梅上
人称:3人称
文字数:115万文字(ラノベ7冊相当)
連載状況:完結
作者キーワード:R15 残酷な描写あり 身分差 オリジナル戦記 ヒーロー 冒険 ロボット 魔法 死霊術 リビングデッド 集英社WEB小説大賞 復讐劇 NTR無し 異世界
作者設定ジャンル:ハイファンタジー
書籍やアニメ化、コミカライズ情報
書籍やコミカライズ情報 アニメ化はあるのでしょうか?
2020年11月時点でメディア展開の情報は確認できませんでした。
なろうの評価ポイントは1万くらいなので、書籍化は厳しいラインだと思います。
とはいえクオリティや要素的には書籍化するだけの面白さはあると思います。
無駄に評価が高いだけの大喜利小説を書籍化するよりは…こっちを…。これも出版社さんが見出すか否かというところですね。
もしコミカライズなど他メディア展開された場合は↓コメント欄にて教えて頂ければ幸いです。
死霊術師の人型兵器開発日誌の感想まとめ
総合評価は☆5
印象深い完結はお見事。一つの時代の、一人の男の物語が作品と共に完結する。
ロボ×戦記×人生をしっかりと描き切った秀作だと思います。
誤字脱字が多い点、場面の転換時になかなか空白期間が語られずわかりにくい点、戦闘描写が稀に目滑りするなど、置いていかれた感がでてしまう点は残念。
文句なく☆5とはいかないものの、刺さる人には最高の一作になる可能性があるネット小説だと思います。
【作者名】の他作品紹介
【クビにされた元エースパイロットが死んだ婚約者そっくりの幼女を引き取って親子になる話】が完結。
【終焉機ヴィクティム】も完結していますね。コメントでおすすめだと教えてもらった際に併せておすすめ頂いた作品です。
記事作成時点で【いつかオルガは龍を斬る】が連載中です。
死霊術師の~が気に入った方は追いかけてみるのも良いかもしれませんね(*´ω`)
まとめ記事のリンク
↓作品にて私が面白いと感じた小説たちをレビューしています。
カエデ
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