「パソコンが何もしてないのに壊れた!なんとかしてくれ!」
正直なところ勘弁してくれと思うセリフです。
私は出張パソコン教室を営業していますし、友人に頼まれてパソコンの修理をすることもあります。
そのため、この手のセリフを耳にした回数は全国でも指折りだと思っています。
今日は「何もしてないのに~」と主張する人の心理と、そう言われた時の対応について考えてみましょう。
何もしていないは、何をしているか分かってないだけ
「俺は何も悪くない!」という心の声が聞こえてくるようでゲンナリしてしまいます。
ちょいと言い方を工夫するか、そもそも知らず知らずのうちに何かをしてしまっているかもと考えないのかと思いますが、そのあたりどうなのでしょうか。
何もしてないのに壊れることはあんまりない
パソコンを日常的に使っていれば、パソコンは意外に丈夫であることを知っています。
何もしていないという言葉ほど信用ならないものはない。だいたい何かをしています。
原因があるから結果があるのです。
操作に過失がなくとも、埃や熱にさらされた環境だったりと、”何かし続けているから壊れた”場合も多いのです。
自覚があるのに何もしてないと言うことも
実は、無自覚の場合と自覚しながら何もしていないと言っている場合があります。
うすうすアレが原因なのかもなと気付いているのに、何もしていないと主張する人がいるのですね。
「まさかそんなんで壊れるわけないやろ…」と思っているならまだ可愛いものなのですが、中には自分の非を認められない、あるいは修理費をケチるために不都合な事実を隠そうとしている人が一定数存在します。
パソコン先生の私は修理に対してお金をもらう明朗会計なのですが、保障やなんやかんやが絡むお店の人は苦労するだろうなぁ…と思います。
壊れていないのに壊れたと思い込んでいるパターン
一口にパソコンが壊れたと言っても、慣れた人から見れば故障のうちに入らないパターンは多いです。
というかそれがほとんどですね。一例を紹介しましょう。
抱き合わせでゴミをインストールしている
よくわからないから”はい”を押してインターネット、もといブラウザのホーム画面が変わってしまったり、ウイルスが入っていないのにウイルスが見つかったと騒ぎ立てるソフトなどがインストールされて困って相談される人が多いです。
本当に悪質なウイルスは、そもそもウイルスに感染したよと教えてくれたりはしませんよね。
ヤフーの画面が開けない!youtubeがみれなくなった!
旧バージョンのインターネットエクスプローラーを使い続けている場合は、ヤフーのホームにアクセスできなくなる場合があります。
「インターネットができない!」という相談の中にはこのパターンが多くありますね。最近だとvista搭載のパソコンで多いです。
そういったパソコンはすでに10年以上経過している場合が多く、下手にOSのアップデートをしても余計に混乱させるだけなので、説明と相談をしたあとグーグルクロムをインストールする場合が多いです。
クロムならまだ当分ヤフーとyoutubeが開けるようですからね。
いいえとキャンセルは違う
【キャンセルや×】ではなく【いいえ】をクリックすれば解決するのに、頑なに【いいえ】をクリックせず「消えない!」というパターンがあります。
横文字がとにかく嫌い。三行以上の説明は読まない理解できない。
という人は本当に多いです。
そんな方はもともとパソコンなどに興味など持っていなかったのですが、それでもパソコンを持たざるを得ない時代になってきているのですね。
自動インストールでデスクトップ画面などが変更され戸惑う
慣れ親しんだ画面がある時急に別物になると、何があったのかと驚いてしまう人は多いです。
マイクロソフトは初心者に不親切だと思いますが、いろいろ事情もあるのでしょう。
昔はコントロールパネルから簡単に自動インストールを切ることができました。
しかし現在は少々複雑な手順を踏まねば自動インストールを解除できません。
しかも自動インストールを解除していた場合、特定のプログラムが上手く動作しないなど、半ば狙ってやっているのではないかと思うようなトラブルが起こります。
フォルダの構造が分からず、目的のデータがなくなったと思い込む
デスクトップショートカットを間違って消してしまい、全て消えてしまったと思いこむ人がいます。
その人は私に相談してくれたから良かったのですが、中にはパソコンが壊れたと考えてデータを諦めている人もいるでしょう。もったいないことだと思います。
実際には壊れていなくても、その人にとっては壊れている
そのほか、入力モードが変わって字が打てない。ナムロックがかかって数字が打てない。シフト押しっぱなしのアレだったり、マウスの電池切れ、ノートパソコンのランスイッチがオフになっている、バッテリーの消耗メッセージの”火災のリスク”に大騒ぎなどなど、たくさんあります。
パソコンに限らず、慣れない分野においてはちょっとしたトラブルで困ってしまうのは当たり前のことです。
私も車がちょっと壊れたら修理屋か友人に丸投げですからね…。
もし得意な分野で頼られた時は、そのことを理解した上でなるべく丁寧に対応するようにしたいですね。
自分ではたいしたことをしていないと思っても、とても感謝される場合があります。
修理する側からすれば壊れているうちに入らなくても、困っている人からすれば壊れているのを直してもらったということになるのです。
感謝されれば素直に受け入れましょう。
「たいしたことしてないって…」というより「これでバッチリやで!」と言う方が双方にとって得なのです。
何もしてないのに壊れることもある
10年越えのビンデージなパソコンがついに天寿を全うした。
初期不良などが存在しており、使用1年ほどでバチンッという音とともに作動しなくなった。
おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに来た孫がパソコンの画面を魔改造していった。
などなど。
使っている人は何も悪くないのに壊れる場合もあります。圧倒的に少数ですが(;'∀')
修理に伺ったけどどうしようもない場合は、生徒さんと相談して私がパソコンを用意することも多いです。
何もしてないのに壊れたと言われた時の正しい対応は?
気軽に付き合える友人ならば「何もしてないのにそんな頻繁に壊れるわけないやろ…」と言ったりするのですが、相手との関係次第ではそうもいきません。
私のようにパソコンを仕事にしないのならば、そもそもパソコンに詳しいことを広めないのが無難です。
自分の得意分野については誰しもつい饒舌になってしまうのですが、「だったらちょっと見てよ!」となり後悔したことのある人は多いはず。
相手にとってはただ一度の頼み事でも、頼まれる側からすればもう何度目かわからないという可能性があるのです。
何かを人に頼むときは、そのあたりも考えてあげるのが優しさかもしれません。もちろん、相手との関係次第だとは思いますが。
クソ真面目にすべてを説明しても誰も得しない
これに尽きます。真理です。
実は、何もしていないと主張する人はだいたいの場合原因の解明を望んでいないのです。
原因を知りたいかと問えば、知りたいと答えるでしょう。
しかし、相手が本当に望んでいるのは壊れない対策と確実な修理です。
似ているようで別物です。
「次からこうすれば大丈夫」という明確な答えを望んでいるのであり、細かい状況説明はあまり聞きたくないと思っているのです。
何もしていないと言いつつ、心のどこかで「実は何かやったんじゃないか」となんとなくバツが悪く感じており、それを抉られたくないのです。
私がそうです。叱られる子どものようですね。でもそんなものです。
「何もしていない」と断言する時点で半ば思考を放棄している
「何もしていないと思うんやけど、何かが悪かったんやろか」と尋ねる人には、考えられる原因をなるべく詳しく説明します。
「何もしてないのに壊れたからなんとかして」と言う人には、黙って修理をし、再発防止のための方法だけ伝えます。
二つのセリフの違いは明らかですよね。実際には言葉だけでなく様子を見て判断するのですが。
上の「何かが悪かったんやろか」は自分なりに原因を探っているから出てくる言葉であり、説明を聞く耳ができています。
逆に「何もしていない」「なんとかして」は、ただ修理だけを求めていて、パソコンが動くか動かないかにしか関心がありません。
知りたがる人とそうでない人への使い分け
たとえばコーヒーをぶっかけてパソコンが壊れているのが明らかなのに、それに気づかず何もしていないと主張しているとします。
「何かが悪かったんやろか」には
「直りましたよ。コーヒーをこぼしたのが原因です。パソコンに水がかかるとショートして壊れてしまうので、コーヒーを飲むときはパソコンから離して飲むなどの対応をしましょう」
と答えます。
「何もしていない」「なんとかして」なら文字通りなんとかするだけです。
「直りましたよ。パソコンはデリケートだから、水がついて壊れることもあるくらいですからね」と。
一応は、それとなく心当たりが出てくるように誘導します。
あくまでも生徒さん自身に悟ってもらうことが重要です。決して説教っぽくならないように。逆ギレされますので。
いくらパソコン先生でも、パソコンが壊れやすいのをなんとかしろと言われてもどうしようもありません。
つまり、生徒さんの望みに沿って説明することが重要です。
親切心から知識を並べても、用意がない耳には決して届きません。それは余計な親切だと心得ると気持ちが軽くなります。
修理においてより良いサービスを受けたいなら
「何もしてないのに壊れた」
これはパソコンに限らない、いわゆるNGワードであったりするのですが…。
たとえどんな言葉でも、それを使う人の態度次第で印象は変わるものです。
そんな定番台詞をもらった場合、私は相手によって態度を変えます。
困った様子でそう話された場合は、心から同意し気合いで修理します。プロの腕の見せ所です。
その人に呼ばれれば喜んで何度でも修理するし、相手の理解度と理解をしたがっている度合いに合わせて可能な限りの説明をします。しかし…
「なんとかしろよ」のような空気を出す人がいます。修理に来た人へ「お前らが悪いんだ」とばかりに延々と文句を言う人がいます。
そりゃ極まれにしかないですが、そういう人は人生損をしているんだろうなぁと思います。
そんな自分のやらかしを棚に上げて人に責任をなすりつける人にどれだけ説明しても無意味です。
プロとして最低限の仕事しか提供しません。お金の分だけ、ですね。そういう関係になります。
修理屋だって人間です。ロボットのように扱われれば、ロボットのような対応をするものです。
ケーキやコーヒーを頂くより、人として対等に扱ってもらえる方が良い仕事ができます。
もし人に何かを頼むなら、モノやカネよりも態度で歓迎してあげてくださいね。
パソコンとは関係なく、人間関係でも同じことが言えると思います。
こういうことよくあるんですよぉー は時に地雷ワード
生徒さんに安心してもらうために、「この問題はよく相談されることなんですよー」と言うことがあります。
多くの生徒さんは「私だけじゃなかったんだ」と安心してくれるのですが、中には「こちらをバカにして!」と感じる人がいます。
そういう空気を察して「あちゃっ、やっちまったー」と後悔することがあります。馬鹿な私です。
関係をうまく構築できていればそんなことにはならないのですが、初見の修理ですぐに使う言葉ではないかもしれません。
修理が終わり、頂いたコーヒーを飲んでいるときなどに笑い話で切り出すくらいがちょうど良いでしょう。
パソコン恐怖症につながる場合があるので注意
パソコンやスマホを触るのが怖いと考える人は多いです。
慣れないものに触れるのは、誰だって不安なものです。
特にテレビなどではウイルスガー、詐欺ガー、なんて大声で報道しているものだから「パソコンはおそろしいもんやねぇ」というイメージができてしまっている場合があるのですね。特に高齢の方に多いです。
おっかなびっくり触ってようやく慣れてきたころにパソコンがおかしくなってしまったら…?
パソコンへの不信感を募らせたり、最悪パソコンが漬物石になってしまう場合があります。とてももったいないことです。
パソコン先生の私としては、高齢者の方でもどんどんパソコンやスマホに親しんでもらいたいなと思っています。
昔のテレビよろしくパソコンをバンバン叩いてみたり、とにかくわかりやすい形でパソコンの丈夫さをアピールしていますよ。
修理依頼は、パソコン先生としてはチャンス
パソコンがおかしいから仕方なく…。
こういった理由で業者、つまり私のような出張パソコン教室の先生を呼んでくれる人は多いです。
特にピンク色のページを見ていたり、なんとなく故障に心当たりがある人ほど家電メーカーへの持ち込みを躊躇したりするものです。
そういった人は、最初はバツの悪さからぶっきらぼうな態度をとられたりするのですが…。
「いやー、僕もよくピンク色のサイトみて変なメッセージ出て困ったんですよ!それでパソコンに詳しくなりました!ははっ」
と本当のことを言えば、打ち解けやすくもなります。
そんな関係からちょっと何かあると相談してくれるような付き合いになった生徒さんもいますので、マイクロソフト先生の頻繁な荒ぶりには感謝しているところもあったりなかったり。
何もしてないのに壊れたの結論
・何もしていないのに壊れたはだいたい勘違いだが、まれに本当のこともある。
・何もしてないと主張している人は本当にそう考えていることがほとんどだが、そうでない場合もある。
・良い関係をこれからも続けたいのなら誠意をもって対応し、その人が望んでいる形で力を貸してあげましょう。
・横柄な態度を取られたら、それなりに対応しておけば良いです。
パソコンで困った!は誰もが通る道ですが、操作に慣れてその気持ちを忘れてしまうこともあります。
かつては自分も通った道。本当に困っている人のために、心の中に一すじの優しさを用意しておきましょう。
パソコン教室を運営していて疑問に思ったことなどをまとめています。ぜひこちらもご覧くださいね。
カエデ
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