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鴨の捌き方 毛抜き解体から精肉、料理までの全手順と注意点

鴨の捌き方

みなさんこんにちは。新米猟師のハンターライフ、カエデです。

この記事は鴨の毛抜きと解体、精肉するまでの流れや注意点についてまとめています。

 

こんな方におすすめです

・鴨を回収してから捌き、解体精肉する方法を知りたい方

・鴨の毛抜きや精肉時の注意点を知りたい方

※この記事は4分で読めます。

前記事↓の続きです

【鴨猟】鴨の狙いかた。散弾銃で確実に狩猟するためのコツと回収方法

 

鴨の毛抜き手順とコツ

狩猟した鴨の毛抜き

鴨を回収しても、食べられるようになるには処理が必要です。

寒空の下がんばって毛を毟りましょう。

 

鴨の毛抜きと炎の儀式に必要な道具

鴨:美味しく食べるためにしっかり処理しましょう。

鍋:毛抜きの際、お湯につける場合は用意します。

袋:毟った毛を入れます。45リットルくらいの袋は欲しいです。

 

ピンセット:しつこい棒毛を抜くために必要です。先が尖っているものよりも余裕があるもののほうが掴みやすいです。

 

手袋:ピッチリフィットなニトリルグローブが良いです。

 

携帯コンロ:産毛を散らす炎の儀式に必要です。ガスバーナーでも良いですね。

 

タワシ:鴨の産毛を取るときに使用。ガシガシとこすります。

 

鴨羽の第一関節から先を取る

 

鴨の第一関節から先は肉がありません。毛抜きの時に邪魔になるため取り除いてしまいましょう。

羽を両手で持ち、関節を中心にねじればバキリと音がします。そのまま引っ張れば千切れます。

硬ければハサミなどで無理やり切ってもかまいません。鴨の種類によってはとても綺麗な羽がついているため、アクセサリーなどに加工するのも良いかもしれませんね。

 

ひたすら鴨の羽を毟ります

肉になるまでひたすら毟ります。所要時間は1時間~2時間ほど。根気が必要です。

どうしても羽が舞うため、屋外で袋の中に入れて作業すると捗ります。

素手で毛抜きすることもありますが、ニトリルグローブなどをはめておくと手に優しいでしょう。

指の腹で撫でるように抜くのがコツです。

首回りと手羽先は皮が破れやすいため気持ち慎重に作業しましょう。

腹は気持ち良いほどスポスポ毟れるため毛の流れに逆行してガシガシと、背中や手羽など皮が弱く毛が抜きにくいところは毛の流れに従って抜きましょう。

皮がベリッといかないように。まぁ失敗しても見栄えが悪くなるだけだからリラックスしてやればOKです。

手羽の部分が特に大変ですが、至高の一口のためにがんばります。

 

鴨の羽が抜きにくい場合は?

お湯を使う場合は10秒くらい湯につけて30秒くらい袋で蒸らすと良いとどこかで記事を読みました。やったことはないです。

お湯だと腐りやすくなるとも聞くので、数を獲らない冷蔵保存信者のカエデからすると「そのまま抜けば良いや」となるのですね。

蝋を塗り、まとめて毟る方法もあるそうです。奥が深いですね。最初はそのまま毟れば良いんじゃないでしょうか。むしむしむし。

 

鴨の棒毛はひとまず無視。

生えかけのやたら目立つ毛が出て来た・・・

鴨は冬に備えて羽毛を増やすのか、生えかけの棒毛がある個体がいます。

棒毛は皮膚にめり込むように生えていて、手で除去できないこともあるやっかいなやつです。今はそのままにしておきましょう。

 

コンロで炙って鴨の産毛を取る

炙れば産毛がチリチリになり、タワシで軽くこすることで取れるようになります。

炎の上で軽く炙れば十分です。あまり長く炎に当てると焦げるので注意しましょう。

お尻の油壷が普通に燃えるので興味深いです。まさに尻に火が付いた状態ですね(笑)

携帯コンロを使う場合は燃えるものを遠ざけておきましょう。コンロを倒してしまうと火炎放射器のようになるので倒さないように注意してください。

私はアウトドアで持ち運びもできるキャプテンスタッグの携帯コンロを使用していますが、鴨を炙れるならガスバーナーでもキッチンコンロでも大丈夫です。

 

棒毛をピンセットで抜き、残った産毛を流水とタワシで取り除く

上の画像はちょっと見えにくいですが、過去最高に棒毛だらけだった鴨の画像です。

生えかけの毛はかなり丈夫で抜けにくく、ピンセットを使っても完全には除去できませんでした。

もし棒毛が残っていても、焼いて食べれば意外と気付かないので半分は見栄えの問題です。どこまでこだわるかは気分次第ですね。

 

鴨の皮はそれなりに丈夫なのでタワシでこすっても大丈夫です。

洗い終わったらキッチンペーパー等でよく水分をふき取っておきましょう。水気は劣化を早めます。

 

鴨の捌き方:解体と精肉

いよいよお肉らしくなりましたね。中華街の軒先に吊るされているダッグのようです。

お尻から内臓を取り除きそのまま丸焼きにするのも面白そうですが、今回はしっかりと部位ごとに切り分けてみましょう。

上の写真では頭と足が付いていますが、この段階でハサミなどで切り落としておきましょう。

鴨の解体と精肉に必要な道具

キッチン用品一式

ナイフ、ハサミ、まな板、タワシ、キッチンペーパー、保存用のZIP袋や真空パックなどが必要です。

ナイフと真空パックについては私も3年ほど使用している商品を貼り付けておきます。

ブローニング製の狩猟ナイフで、2本で4000円以下であり非常にコストパフォーマンスに優れています。

ステンレス製で丈夫であり、鹿の骨をガリガリしても欠けません。

これがあれば鹿、猪、鴨、アナグマは余裕で捌くことができます。鴨についてはもう少し刃先が真っすぐなナイフがあっても良いかもしれません。

ナイフがなければ包丁とハサミでも解体できますが、用意しておくと捗りますよ。

 

鹿肉や鴨肉を保存するときに使用している真空パックです。6500円ほどととにかく安いのが魅力ですが真空パワーは微妙なところです。

業務用にはかないませんが、それでも十分に空気が抜けるので愛用しています。

 

鴨の精肉方法

腹開きと背開きがある

鴨の解体は主に腹開きと背開きによる方法があります。

私は腹開きの方が分かりやすいと考えているため、腹開きで解説しています。

どちらの方法でも大きな違いはありません。

 

胸骨に沿って縦に浅く切る

腹側に突き出た胸骨に沿って、刃を一センチほど入れて縦に切りましょう。

頭側は鎖骨、足側は腰骨まで真っすぐ切れ込みを入れることができます。

胸骨を境に片方ずつ開いていくため、今切るのは片側だけでOKです。

 

鎖骨をハサミで切る

胸骨と鎖骨でT字になっている部分をハサミで切ります。

切った鎖骨は肉にこびりついているような形になるため、邪魔になったタイミングでナイフでこそぎ取ります

 

骨と膜に沿って開く

あとは骨と膜に沿って片側を開いてしまいます。

軽く指で肉を引っ張り、骨とくっついている部分を軽くナイフでこすってやればペリペリと剥がれてきます。

 

胸肉を剥がして、そのままモモ肉も皮と膜の間を削いでいきましょう。

 

手羽ごと切り離すためには、写真の赤丸の部分を切ると良いです。

このあたりはもっと良い方法があるかもしれません。独学ですのでご勘弁を。

 

片側がペロリとむけました。骨とそれ以外を切り分けるイメージですね。

ここまで来たら、逆側も同じように開いていきます。

 

お尻のボンジリを残してペロリと開きました。

そのまま背中側まで切り、肉を分離します。

 

上手くやれば胸肉、手羽、モモ肉を同時に取り外せますが、よくわからなければモモと手羽を個別に切り取ってしまっても問題ありません。

胸肉にはササミがくっついていますが、指でペリペリとはがすことができます。

 

メインのお肉が取れました!

あとは余った皮やボンジリを好きなタイミングでナイフでこそぎ取りましょう。

ボン尻は小さいし、周囲には油壷(やたら黄色い◇型の部分)もあるしで食べるかは好みだと思います。

 

部位ごとに切り分ける

皮のバランスを考えて切ると、なんとなく見栄えが良くなります。

 

血合いをどうするか、弾が入っていないかを確認する

ゴマ粒ほどの散弾がコロリと出てくることがあります。

普通は解体の過程で全て出ていますので、私は噛んでしまったりしたことはありません。

少なくとも兵庫では、銃弾は鉄製なので飲み込んでも鉛中毒などにはならないため安心してください。

 

いろいろ説明したけれど

分からなければ適当に切ればOKです。なんとかなりますので削りとばしてしまいましょう。

3羽も解体すればだいたいのコツが掴めてきます。最初はもうつみれ肉にしちゃうつもりでどんどんトライしてみましょう。

スパスパと分離する場合、所要時間はベテランだと10分もかかりません。皮ごとひとつなぎで取ろうとすれば10分以上は必ずかかると思いますが…。どうなのかな。

鳥の構造は基本的に同じなので、これでヒヨドリなども捌くことができます。

私は鴨ばかり獲っていまして、実は雉を捌いたことがないのでわかりません(汗)

 

鴨の内臓処理

上の写真は二羽分です。個体や被弾により状態は変わります。海ガモの方が肝臓が黒っぽい気がします。

あまり水で洗いたくはないですが、ここまでで腸の内容物が飛散しているため任意のタイミングで水洗いしましょう。

また、よく火を通してから食べることを徹底しましょう。

 

胸骨をバキリと開く

 

ふんっ!

思い切っていきましょう。蟹の甲羅をぱかりと開くのに似ています。

あとは手を突っ込んで内臓を取り出します。内臓ごとに手で分離できます。

 

心臓

 

切れ込みを入れて動脈?の中に詰まっている血を除いておきましょう。これをしないと血の味が強くなります。

心臓は食べやすくて美味しいです。

 

肝臓

いわゆるキモです。茶色いが血が混じっていれば黒っぽい色に?個体によっても違います。

柔らかいので潰さないようにしましょう。陸鴨は牧草の味、海鴨はなんか磯臭い。珍味です。

 

砂肝

 

砂ズリとも。ゴルフボール大の大きさ。赤い筋肉と白い膜、その内側に入っている内容物からできています。ザクッと切って内容物を洗い流し、白膜をナイフで削ぎます。そうすればよく見る砂肝に。どこにナイフを入れるかはすいません確立していません。でもザクッと行っちゃって大丈夫です。

 

内臓については、血が混じっているようなときは牛乳に数十分ほどつけてみるのも良いかもしれません。

 

完成!保管など

真空パックをしたり、ジップ袋などに入れて冷蔵すれば一週間ほど保ちます。

冷凍した場合は冷凍庫の性能によりますが、せっかくの新鮮な鴨ですので早めに食べましょう。

 

鴨肉の重さは?

カルガモで内臓込みで650~850、コガモで300くらいだったかな。曖昧です(汗)

 

鴨肉の食べ方は?

私はよく炭火焼きで食べます。最近はジビエ料理の本も出版されているようですね。

この本だと解体からの全手順が掲載されているそうで。この記事いらなかったんじゃ…い、いやいや。

とりあえず焼いて食ってみて、あとは合いそうな調理法を試してみると良いでしょう。

鴨の骨ガラはダシとして使えるようです。鳥ガラと扱いは同じだと思いますが詳しくないので解説はできないです。

 

鴨の丸焼きをするなら

鴨を丸ごと保存したい場合などはボンジリの部分を切り落とし、手を突っ込んで内臓を掻きだしてから保管すると良いでしょう。

 

動画説明もありますのでぜひご視聴ください

鴨の毛抜きから解体までを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

この記事がこれから鴨の捌きに挑戦する方の参考になれば幸いです。

youtube、ニコニコ動画にて動画も製作しておりますので興味のある方はご視聴ください。

経験するうち自然と知識が身に付いてきますので、まずは楽しんでチャレンジしてみてくださいね。

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カエデ

兵庫で猟師とパソコン先生をしているカエデです。 アウトドア派に見せかけたインドア&ネット大好き男性です。 29歳になりました。新しいこと、感銘を受けたことにはとりあえず手を伸ばしてみるタイプです。 狩猟、パソコン出張教室開業、警備員、動画投稿、株、絵師、将棋、ハーモニカ、ラノベ作家、医薬品登録販売者、仮想通貨、海外一人旅、ネトゲ廃人など、気付けばいろいろやっていました。