「女性が狩猟をすることについてどう思いますか?」
という質問をyoutubeでいただきました。
個人的には「猟師に性別は関係ないよね」と思います。
ただ、それだけでは不十分な回答であるため、女性が猟師になるということについて―――
・狩猟をする女性は何人くらいいるのか
・女性が猟師になる場合のハードルと注意点
・女性猟師の現状と男性猟師の認識
・私が知っている女性猟師
というテーマからまとめてみました。
29歳、狩猟歴6年のカエデです。
狩猟の記事を書いたり、カモやシカを獲った狩猟動画などをアップしています。
※この記事は4分で読めます。
実際、女性の猟師はいるのか
猟師と言えば、イカツイおっちゃんが銃をぶっ放している姿をイメージする人は多いと思います。
【狩りガール】なんてフワリとした言葉が使われ始めた昨今ですが、実際に狩りガールは何人くらい実在するのでしょうか。
環境省のデータベースを覗いたのですが、正確な男女比のデータがみつかりませんでした。
そのため確実なソースではないのですが、日本猟友会の経由サイトから、平成29年度において狩猟免許を持つ女性は3000名に達したという記述を発見しました。
発行されている狩猟免許の総数が18万くらいなので、女性ハンターは全猟師のうち約1.6%ということでしょうか。
60人の猟師がいれば、その中に女性が1人いる計算ですね。
これでも女性猟師の数は10年前の2倍になったそうな。うーん、これが本当ならまだまだ少ないですね。
自分の経験から抜き出すなら…。
私が最後に女性の猟師に会ったのは、前回の猟銃の更新講習の時です。
40人ほど集まった講堂に2人の女性がいました。
40代くらいの夫婦と、20代くらいの女性が座っていたのを覚えています。
そこだけを切り取れば、20人に1人が女性猟師ということになりますね。
まぁそんなものかなー。そんな印象です。
女性で狩猟免許を取る方は一定数いますし、ここ数年は増加傾向にあることは間違いありません。
しかし、それを含めても男性猟師が圧倒的に多いのは間違いありません。
蛇足ですが、更新講習で出会った女性は狩猟歴3年以上です。
現役の女性猟師に「狩りガールやな!」なんて言ったら蹴り飛ばされるかもしれませんので注意しましょう。
フワリとした新規さん用の呼び名は、なんだか馬鹿にされているように感じることがしばしば。
私は動画を投稿していますが、ユーチューバーで一括りにされたら何とも言えない表情になります。話が脱線するので次のテーマへ。
実際のところ、女性が猟師になることに問題や不足はあるのか
ないです。
もう一度言います。問題も不足もないです。
例によってそれでは話が広がらないため、あり得そうな問題を挙げてみます。
体力的な問題はあるのか
鉄砲を担いで山を歩いたり数十キロの大物を引きずったりと、体力があるに越したことはありませんが…。
現代の狩猟は、体力より脳力です。コツがあります。
最初から深山で忍び猟をするわけでもなし。
普通に鉄砲担いで歩ける程度の体力があれば狩猟を始めることに問題はありません。
猟師なんて大半がおじいちゃんですが、ちゃんと務まっています。
おじいちゃんは昔ムキムキのアスリートだったとか、そういうことでもないです。
もちろん70超えたおじいちゃんと侮るなかれ。
インドア猟師な私は山で置き去りにされかけたことがあります…。
とはいえ、いくら山歩きで鍛えていてもその体力は一般人の域です。
性別による運動能力のあれこれまで考える必要はありません。
そもそも腕が筋肉痛になるくらい力を使うのは、大物を仕留めて捌くときくらいです。
仲間を呼んだりパーツに分けて持ち帰ったり。仕留めた後なら工夫次第でなんとでもなる話です。
体力に自信のない方も安心して挑戦してみてくださいね。
参加するまでの心理的なハードル
狩猟を始めるにあたり、女性は男性に比べて心理的なハードルが高い場合が多いと思います。
「女性でも狩猟できますか?」という質問を何度も頂くことからそれは間違いないでしょう。
特に女性の猟師が少ないことに不安を覚える方がいるようです。
それに対する回答となるかはわかりませんが…。
まず、あたりまえですが猟師に男限定などという決まりはありません。
結果的に男しかいないわけで、男女比なんて今後いくらでも変化していくものだと思っています。
とはいえ、現状で男性猟師が圧倒的多数であることは事実です。
男社会のイメージが先行するのは自然なことだし、それ以外でも男性である私には理解の難しい悩みもあると思います。
ただ、↓の記事で猟師になるきっかけや理由について書いていますが、結局は自分の気持ちの問題です。
私は友人に誘われて、軽い気持ちで猟師になりました。
同じように、友達や旦那が誘ってきたので一緒に狩猟をしようと思った、なども立派な理由だと思います。
良い出会いや何気ないきっかけが背中を押してくれるのはラッキーなことです。
「それも悪くないかな」そう思った時は気軽にチャレンジしてみるのも良いものですよ。
周囲の人が狩猟に反対する
【狩りガール】なんて言葉もあるように、猟師のイメージは近年確実に明るい方向へ変化しつつあります。
とはいえいざ身内の話になると「女性のあなたが猟師なんて…」と反対する人もいると思います。
実際、家族の反対から猟師になるのを諦めたという人は男女問わずそれなりにいるでしょう。
真面目に話を聞いてくれる人なら理論武装すればなんとかなるかもしれませんが、聞く耳すら持ってくれないこともあるでしょう。
そんな頭の固い人の意見なんて無視したくなりますが…しかし。
誰しも自分に近しい人にほど納得してもらいたいと思うものです。その逆もしかり。
頭ごなしに反対されているように聞こえても、心配だから反対しているという側面があると思います。そう考えましょう、ムカついても粘り強く説得を。
親しい人の納得を得ることは、男女問わず難しい課題だとは思いますが…。捨てバチにならないようにしてくださいね(*´ω`)
↓参考までに猟師が動物の命を奪う理由についてまとめています。
「なんで猟師になんかなりたいの!?」と言われた時の、説得材料の一つになれば幸いです。
猟友会に女性がいない? それはちょっと…
猟友会への所属を勧められても、会員が男性ばかりと聞いてためらってしまうこともあるのではないでしょうか。
猟友会は無理に所属する必要はありません。ゆえに心配は不要です。
一人で免許を取って狩猟に出ても良いし、夫婦、あるいは友人とだけ狩猟する人もいます。
ただ、よほど人付き合いが苦手でない限りは、猟友会にはとりあえず籍を置いておくと便利ですよ。
猟友会は、基本的にはメリットがデメリットを上回ります。
現役猟師はおじいちゃんがほとんどなので、60歳以下の若い女性が「おしえてー」とやってくれば、おじいちゃんたちは大喜びしてくれますよ。
あとは、そうですね…。若い男性猟師とか簡単に釣り上げられますよ。
猟場に出会いを求めるのは間違っているだろうか。
調子に乗りましたすいません。
まじめな話、狩猟に関係のない面倒な人間関係は簡単に回避できます。
よほど活動的な猟友会でもない限り、そういった狩猟と無関係の面倒なアレコレが起こることはないため安心してください。
↓猟友会に入ることのメリットデメリットについてまとめています。
動物の命を奪えるのか
これも性別は関係ないと思います。
ただし「狩猟は男がやるものじゃ!女には無理だ。そんなことできっこない!」と主張する人がいないとは言えません。
原始時代からの誇りを大切にしているとか。そんな時代錯誤マンはキックアスホール(ケツの穴を蹴りとばせ)
何をどこまで考え、感じるか。
それは性別による傾向はあるかもしれませんが、個人単位では関係のないことです。
↓参考までに、私が自分の銃で初めて鴨を仕留めた時に感じたことをまとめています。
新人猟師は男女問わず歓迎されます
現役猟師には、柔軟な思考ができるチャレンジャーが多いです。私もそうです
一般のイメージとは少し違うかもしれませんが。
猟師は頭が柔らかい人が多いのです。
なぜなら、現代猟師のほとんどは自分の意思で狩猟を始めているからです。
現代において、代々マタギの家系で~なんてことはほぼありません。少なくとも私の周りは猟師一世、二世ばかりです。
猟師と言えど、元は狩猟と関係ない生活を送ってきたことがほとんどであり、そこから猟師になるにあたって色々なハードルを乗り越えています。
まずは自分の興味に従い行動することから。
それでも家族の反対を受けたり、周囲から止められたり…。多かれ少なかれ人目を気にしたことがあるのです。その上で猟師になったのです。
だから、女性が猟師になると言ったとしても、
「そっかー苦労や面倒もあるやろな。でも頑張るんやったら手の一つでも貸してやりたいなー」
と思うわけです。
とりあえず、現役の猟師はみんな味方だから安心してください。
兵庫の某猟友会に女性猟師が加わったのなら、みんな簡単に秘密の猟場とか教えてくれると思いますよ(笑)
それがキモイ…自分の力でチャレンジしたいなら、猟友会に所属しないのもありだと思います。
有名な女性猟師
狩猟を始めたいけど、全てにおいて手探りというのはとても大変です。
そんなとき、先を走る偉大な先人がいるというのは心強いことですよね。
私が女性猟師、と聞いて私が思い浮かべるのは↓の3名ですね。もちろん他にも大勢いらっしゃると思います。
畠山千春さん
おそらく、男女問わず狩猟業界?における有名人筆頭です。
私が猟師になる前から狩猟をされている方で、完全なるガチ勢&非常に考えさせられる記事を書く方でもあります。
私が猟師になってからわずか6年と言えど、それでも世間の認識は変わるものです。
6年前は、今よりも狩猟文化の理解が足りていない時期でした。
彼女のブログが炎上してちょっとした騒動になっているのを見かけたことがあります。
【うさぎ かわいい】が検索ワードに含まれていたがゆえの不幸な事故だったのですが、それはさておき。
当時からただ動物を狩猟するに留まらず、アクセサリを作ったりワークショップに参画されたりと、猟師になることを考えていた私は狩猟の奥深さについてずいぶんと進む道を照らして頂きました。
動画を投稿してみようと考えたきっかけの一部でもありますね。
リンクは貼れませんが、【ちはるの森】で検索すればヒットすると思います。
日本猟友会の推し狩りガールのありちゃん
実は狩りガールなる言葉は【日本猟友会】がプッシュしている言葉だったりするようです。
【目指せ!狩りガール】で検索すると出てきますね。記事は完結したようで、更新は2年ほどされていないようです。
AKB48の永尾まりやさん
実銃アイドル、芸能界から狩りガール、などなど話題になったようです。
まぁ【AKB 狩猟免許】という単語でどこかで耳にしただけなので詳しくは知らないのです、すいません。
最後に
調べてみて思ったのは「女性猟師って思ったより多いんだなー」ということです。
↑で上げた有名な女性猟師の他にも【狩りガール】で画像検索してみるとたくさん出てきますね。
3000人も女性猟師がいるなら、47都道府県に分散しても1県60人はいる計算です。そう考えればなかなか多いですよね(*´ω`)
狩猟に興味を抱き、挑戦し、楽しむことに男女の違いはないと私は思います。女性猟師、増えて欲しいですね。
男女問わず「狩猟をしてみたいなー」と思っている人へ、この記事よ届け。
狩猟免許に猟銃所持許可をゲットしたら、最初はぜひ鴨を狙ってみてください。鴨猟は初心者におすすめですよ。
↓鴨猟で準備する道具から食べるまでを3記事でまとめています。
カエデ
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