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グリモワール×リバースの感想 浪漫&キャラな面白いネット小説

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グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~ とは

小説家になろうに投稿されている無料ネット小説です。本編完結済み。

なろうの累計完結ランキング上位にも食い込んだ有名な作品です。

 

読んでみた感想や、どんな小説を求める人におすすめかを紹介していきます。

※この記事は3分で読めます。

 

グリモワールリバースはどんな話?

この作品にタグをつけるなら

お約束と浪漫×ハチャメチャ主人公×それぞれの人生×自由と抑圧×飄々ギャグ×重くなりすぎないシリアス×キャラ重視

 

正統派キャラゲーのような小説

テイルズなど往年のRPGシリーズに通じるものがあります。

心に多くの荷物を抱えたキャラたちが交わり、時には敵、時には仲間として物語が進行していきます。

 

読み口は爽やか

くどいハーレム要素はなく、あくまでもピュアな恋愛要素があります。

近年のなろうらしさは皆無で、一貫して小ざっぱりした王道の少年ジャンプ的作品。

どん詰まりの絶望小説や、欲望を具現化した俺TUEEE小説に食傷気味の人におすすめです。

 

作者あらすじ

「見覚えのあるダンジョンだ」
やりこんだRPGで幾度となく目にしたダンジョンの中ボス部屋。
勇者を待ち構え、倒されるためだけに存在する妖鬼に、かつての記憶が甦る。
己の前世は、何の変哲もない大学生であったのだと――このまま中ボスとして狩られるのはゴメンだ。
そう決心した彼は、ボスを撃破してダンジョンからの脱出を敢行。その過程で得たのは、''珠片''と呼ばれる謎のドーピングアイテムだった。この世界に散らばってしまった15の珠片を集めるように女神から命じられた妖鬼は、せっかくならとついでにこの大好きなRPGの世界を旅して回ることにする。
これは何れ大江山の鬼神へと到る、一人の妖鬼の浪漫譚。




グリバスの感想と特筆すべき点をつらつらと

「もうちょっと詳しい話の内容や面白さが知りたい!」という方のために。

※酷評や、若干のネタバレ要素を含みます。

 

近年稀にみる高潔な完結っぷり

まず、読後感がこれほどに優れる作品はランキング作品の中でも有数でしょう。

2019年2月8日にカーテンコールが追加され、さらに美しいラストを迎えました。

くどいかもしれませんが、本当に往年の名作RPGゲームをプレイした気分になれます。

気持ちよく物語を〆つつ、これからも旅が続いていく感。

そしてキャラごとの今後の半生をエピソードを絡めて紹介するという徹底ぶり。

 

プロットがしっかりしており、安定している

物語は一見ハチャメチャなように見えて、作者さんの中で「これはこうなるようにしよう」という明確な意図が散見されます。

話の繋げ方や、盛り上げ所での熱さと感情の演出が計算されているのでしょう。

 

カオスな展開や登場するキャラも多いですが、一人一人の性格と物語がスポットを切り替えながら描写されるため、しっかりと読み込むことで没入感を高められるでしょう。

逆に、少しずつ読んだり、流し読みをする人は途中で挫折しやすいかもしれません。

 

物語にはいくつかの軸があり、基本はキャラとその所属する陣営にスポットを当てた状態で話が進みます。

主人公サイド、ヒロインサイド、帝国書院サイドなどなど。

大枠の物語とそれぞれのキャラの目的があって、行動した結果それが1か所に集まって火花が散り、ロマンでまとめられて完結するかんじです。

 

キャラが重視されているために、ファン同士の交流ではストーリーに対する会話よりも、

「俺はユリーカちゃんが好きだぜ!」とか

「いやいや、モノクルハゲ一択やろ、というか帝国書院やばすぎうち」など

そいういったキャラ中心での会話が主流になってそうですね。

 

あ、個人的にはキャラだと瞳の濁り切ったクリアな瞳の吸血鬼ちゃんが好きです。メインヒロインに昇格してほしい。

ストーリーは、中盤の過去への旅からの怒涛の展開が熱すぎて涙腺が爆発しました。

 

あえて注文をつけるなら

見事に方向性の定まった作品であり、あえてそうしているということはわかります。

それでも不満を申すなら、アッサリ味が強すぎるかもしれません。好みの問題なのですが。

 

ヤンジャン目当ての時にジャンプを呼んだような、薬膳料理の後に分厚いステーキが食べたくなるような。

 

悪役、敵方に”重さ”が不足しています。

悪役でも軽いノリやギャグから逃れられず、お約束ゆえの先が読める展開があります。

今戦っていても、「こいつは後から仲間になるんだろうなー」感があるため、ハラハラ感が少ないです。

 

相応にピンチや残虐なテーマはあります。

クローンに人間爆弾、集団洗脳に封印、悲惨な過去と人間性の屈折からくる孤立。

死にかけ腕が吹き飛び腹に穴も開きます。

それでもさほどの緊迫感、焦燥感を感じません。




救いの手が多すぎて、「次はどのキャラがピンチに駆けつけるのかな?」という視点で読んでしまいます。

戦闘中にも軽口が挟まり、かつ敵もそれに乗るのでなおのこと緊迫感が薄れます。

 

もちろんそれは狙ってのことだろうし、安心して読めるからそっちのほうが好きだという人も多いと思います。

つまりはファンゆえのないものねだりなのですが。

このレベルの作品でも、ギャグとシリアスの同居は難しいのだと感じますね。ライトノベル奥深し。

 

それでも緩む涙腺

お約束の素晴らしさ、王道展開の熱さを再度認識できる作品です。

仲間のピンチに颯爽と現れる救い主。

努力と助けによって内外の苦しみを克服していく登場人物たち。

 

何度心が熱くされたことやら。

 

中学生の時に少年漫画を読んだ時の気持ちを思い出せる貴重なネット小説です。

 

伏線、キャラ設定の活用が秀逸

例えるならば、ピッタリと分量をはかって炊いたお米

粒が立ったキャラと熱された御釜のような舞台。

物語という適切なスパイスを投入し、きれいに完食する。そんな小説です。

 

不要なキャラはほとんどおらず、一度描写された設定は徹底して活用されます。

主人公以外のキャラ同士で多くの絡みがあり、それもコンシューマゲームのようです。

この無駄なく読める点も、より良い読後感の醸成に一役買っていると言えるでしょう。

 

しかし

「最高の素材ゆえあえて100均のケチャップぶち込んでどろぐちゃにかき混ぜて欲しい」

と思うのは汚い大人あるあるなのでしょう。

 

物語から浮くレベルの、独立した完全な悪が欲しかったなとも思います。

ほかのネット小説の水で心が荒んでいるのかもしれません(笑)

 

心を抉ってくる小説に打ちのめされた時、この小説は特効薬になるでしょう。

人間関係なんかも意識的にピュアに整理されている節があるため、

ライト層や女性にも安心して勧めることができる男主人公の作品ですね。

 

打ち切り? 書籍、コミカライズなど作品情報

書籍化、コミカライズもしていますが…。

2019年現在、両方とも3年くらい前から新刊が出ていませんね。

 

ノベルが4巻、コミックが2巻で打ち切りになっているようです。無念。

 

なろうに掲載されているweb小説の時点でかなり面白いのになぜなのか。

人称のブレや唐突な場面転換など、書籍として発売する前の粗さみたいなものは少々見受けられるものの。

それも最小限の手直しで済むくらいには完成度が高く面白さがある小説だと思います。

 

コミックの打ち切りは超有名作家でも逃れられない修羅の道であるのでやむを得ないかもしれませんが、ノベルはこれ、最後まで出してくれよカドカワ先生ェー。

まぁ、商業ともなれば様々な事情が絡むのが常ですし…。




どれだけおもしろい小説でもタイトルと序盤で大喜利かました小説に持っていかれるなんてことはザラにある時代なわけで。

そういう意味ではグリモワール×リバースはジワジワ積み重ねていくタイプの小説であるため、タイミングが悪ければ…ということもありえそうです。

内容は文句ないのですが。

 

作者さんのツイッターとか活動報告とか覗いていると、なんとなく親近感がわいてくるなー、と。

コミケでグリモワール×リバースの取扱説明書などの販売を計画されたりしているみたいなので、「なんか形にして持っておきたいなー」という方は 藍藤 唯 氏のツイッターを追ってみるのも良いかもしれませんね。

 

グリモワールリバースの感想まとめ

いろいろ書いてきましたが、この小説の最大の武器は

粒の立ったキャラ達と、拾えるところを丁寧に拾い切った見事な完結であると断言できます。とにかく読後感がすばらしい。

 

3年越しでの完結。

途中心ない感想に萎えることもあっただろうに、ここまでの大団円に漕ぎつけたことは零細なろう作家でもある私にとって心から尊敬するところです。

作者である 藍藤 唯 さんお疲れさまでした。

なろうへのリンクはこちら グリモワール×リバース~転生鬼神浪漫譚~




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カエデ

兵庫で猟師とパソコン先生をしているカエデです。 アウトドア派に見せかけたインドア&ネット大好き男性です。 29歳になりました。新しいこと、感銘を受けたことにはとりあえず手を伸ばしてみるタイプです。 狩猟、パソコン出張教室開業、警備員、動画投稿、株、絵師、将棋、ハーモニカ、ラノベ作家、医薬品登録販売者、仮想通貨、海外一人旅、ネトゲ廃人など、気付けばいろいろやっていました。

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