銃猟や射撃には銃が必要ですが…。
銃の所持に関して家族と揉めたという人は多いと思います。
散弾銃を所持している猟師が、これから銃の所持を考えている人へ。
どうすれば家族へスムーズに伝えられるのか、反対されにくくなるのかをまとめてみました。
また、家族の同意に不安がなくとも自分がなぜ銃を所持したのかを改めて考えてみる機会にしてもらえれば幸いです。
※この記事は3分で読めます。
家族の理解を得ることが最初で最大のハードル
狩猟で猟銃を所持することを考えた時、まず一番のネックになるのが【同居人の了承を得ること】です。
猟銃を所持している人のほとんどが乗り越えたハードルですが、そのハードルの高さはそれぞれでしょう。
ガンロッカーや弾薬ロッカーなどを備えつけたり、見取り図の作成や警察の訪問など。
ほとんどは自分でできることですが、頻繁に警察署へ出かける必要があるなどどうしても時間を取られます。
そんな時に家族の協力があるかないかで猟銃所持の手続きの手間が変わってきます。
どうせ銃を持つのなら。
同意を得るだけに留まらず、可能ならば所持を応援してもらいたいと考えるのは自然なことだと思います。
家族から良い返事が得られるように準備と心構えをしてみましょう。
先によくある質問への回答を
※コメントで質問して頂ければ回答&追記します。
賃貸マンション、借家で銃を保管できますか?
できます。ただし大家さんの許可は取りましょう。
ロッカーの固定などでビス止めしなければならない場合もあり、その許可なども得ることを考えれば少しハードルが上がりそうです。
家族に認知症や知的障害を持つ人がいるが許可が下りますか?
警察の許可が出ない場合があります。
警察の調査でそのことが判明し、自宅保管ができず猟銃所持を諦めたという話を聞きました。
個々のケースについては警察の担当者と相談していくことになるでしょう。委託保管を想定しておいた方が良いかもしれません。
家族、同居人の同意以外に必要なことはありますか?
猟銃所持の欠格事由に関してはこちら(警察のページより)をご覧ください。
同意が必要なのは同居人だけです。仮に親戚が猛反対しようが同居でなければ所持そのものに関係はありません。
猟銃所持までに警察の確認などがありますが、そこまで漕ぎつけているなら必要書類は提出&認可済みであるため書類通りの設置ができていればそこで問題になるケースは少ないです。
近所への聞き込みはよほど素行が悪くない限りは問題ありません。
家族に反対されたらどうしようもないの?
同居人から同意が得られない場合、自宅で銃を保管することは難しいでしょう。
自宅にこだわらないならば銃砲店に委託保管することができます。
警察は敵ですか?
猟銃所持には警察の審査が必要であり、所有の可否を判定する警察はやっかいな敵であるように感じるものです。
ですが、警察は敵ではありません。
担当官の当たりはずれはあるようですが、基本的には警察も仕事でやっていることです。
しっかりと銃を持ちたいという希望を伝え、問題点を指摘されても一つ一つクリアしていけば、ちゃんと猟銃所持までの道筋を提示してくれます。
最初はだいたい反対される
家族が「銃を持ちたい!」と言い出したらあなたは何と言いますか?
狩猟に理解がなかったとしたら、普通は反対すると思います。少なくとも理由を尋ねるでしょう。
面倒、心配、不安、物騒、周囲の目…。
多くの人は、未知のものに対して否定から入るものです。
「友達に誘われて狩猟しようと思うんやけど…。それで散弾銃とか持とうかなって」
「えぇ、銃!? なんで?やめとき。危ないで、動物殺していると碌な死に方せえへんで!」
「え、えぇ…?」
だいたいこんな会話が繰り広げられるのではないでしょうか。
感情による拒絶反応を事前に予測しておく
「なんでわかってくれないんだ!」…と感情に感情で返してはいけません。
いろいろ熟考して銃の所持を決意したあなたに比べて、家族はまだ理解が追い付いていません。
いきなり話を聞かされれば10に9人は怪訝な反応を示すものです。
とっさに聞きかじった知識で反論してしまうものです。
そんなときにいきなり理詰めで説得にかかるのは逆効果。
まずはこちらが良く考えた上で話しているのだと知ってもらい、落ち着いて考えてもらえる空気を作りましょう。説得はそれからです。
男女の違い、性別によるイメージの差異は存在する
猟師は男性が多く、男性の猟師は母や妻に反対されがちです。
もちろんこれは統計上のことであり、例外は多々ありますが…。
鉄砲を持つのは男の夢、ロマン。
学校に攻めてきたテロリストを撃退する妄想は全男共通!
・・・と、そこまでいかずともなんとなく中二病男性諸氏には理解して頂けることでしょう。
男性相手ならば思わぬ好反応が得られることもありますが、経験上、女性にその手の話をすれば苦笑いされることが多いです。
もちろん同意してくれる女の子もいます。結婚しよう。
しかし血相を変えて逆に説得にかかられ、逆に驚かされてしまうこともしばしば。
話が脱線しました。ここで私が言いたいことは、
反対が予測される相手には、猟銃を持ちたいということを慎重に伝える必要があるということです。
事前にほのめかしておく 反応を伺ってみる
「ジビエって流行ってるよね。自分で獲った肉とか美味いだろうなー。そう思わない?」
「最近さー、狩りガールってのがいるらしいよ?山ガールみたいなもんだよね」
「俺って釣りとか好きだしさー、ちょっと山の方も攻めてみようかと思うんだよね」
人、これを洗脳という・・・。
猟師!鉄砲! よりは 釣りの延長、アウトドア、ジビエ あたりからそれとなく攻めてみると良いかもしれません。
普段の関係構築と言いだすタイミングは重要
今さらですし何にでも言えることだと思いますが、普段の関係と話を切り出すタイミングは重要です。
夏休みの宿題を最後まで引き延ばすくせに
「お母さん!し〇けんゼミをやりたい!」
なんて言っても呆れられて終わりですよね。
どうせ途中で投げ出す。お金の無駄。信用できない。
こうなります。
例えはアレですが、猟銃所持でも同じです。
家族とのわだかまりやついついやり残している仕事はないですか?
家族の信頼とご機嫌を得るためにまずはちょっと体を動かしてみましょう。
猟銃所持に向けてモチベーションが高まっている時期ならきっとやり遂げられるはず(*´ω`)
「ど、どうしたんやお前…」もしくは「最近自覚が出て来たな…ッフ」っとなるのを見計らって切り出せば…。なんという策士!
くだらないことのように見えて、たとえ三日坊主でもこういう積み重ねは意外と重要だったりします。
危ないと反対されても、「まぁお前が言うなら…」「そこまで考えているなら…」という形に持っていければ理想的ですね。
よくある否定意見に対する個別の反論
銃を持ちたいと言った時、必ずと言って良いほど問われることへの答えを用意しておきたいと思います。
問われれば自分の考えを素直に話すのが一番ですが、それでも理解を得やすいように思考を整理しておいたほうが良いでしょう。
動物を殺すことについての苦言への説得
狩猟とは動物を殺すことで成り立ちます。ですが、殺したいがために猟銃を持つという人はいません。
猟師が動物を殺すことについての理由や考えをまとめています。
「銃で動物を殺すなんて残酷だ!」という意見にはこちらを参考にしてみてください。
私は狩猟をすることで新たに獲得できる倫理観もあると思います。
危ないからダメ!と反対された時の説得
【狩猟、銃】と聞くと、どうしても事故のイメージがあると思います。
誤射などで命に関わる事件が毎年発生しているのは事実なので、特効薬となるセリフはありませんが。
【鉄砲=危ない】というイメージが先行しすぎているのは事実です。
実際に全国の狩猟事故の件数を見てみましょう。
環境省の狩猟事故推移データから抜き出してきました。
狩猟の事故による死者数は全国で10人を下回るくらいの人数です。
ちなみに狩猟免許の所持者は全国で約19万人ほどです。
平成27年度について考えれば、事故率は約0.04%、死亡率は約0.0037%ですね。
ちなみにスキーシーズンにおけるゲレンデでの死者は年間10名前後です。
ちょっと適切な例えが見当たりませんで…(;'∀')
スキー人口と猟師ではそもそも母数が違いますし、これを多いと見るか少ないと見るかは意見が分かれるところだとは思いますが…。
私は狩猟はスポーツにおける一般的なリスクを逸脱していない。危険だからやめておけと言われるほどの数字ではないと思います。
ルールを守って狩猟を行えば、そうそう死亡事故につながることはありません。もちろん油断は禁物ですが。
したがって、このデータを根拠として「安全第一で狩猟を行います」と堂々主張すれば問題ないと思います。
不安、迷惑、面倒と思われないようにこう説明しよう
「警察の取り調べとかこっちにも累が及ぶんちゃう?」
「面倒だし警察相手にするのは不安だな」
こういったイメージを持たれることもあると思います。
しかし、家族にかける手間はかなり少ないというのが実際のところです。
・銃所持の同意書に名前を書いてもらう
・家族のうち一人に警察から同意の確認がある
これくらいです。
猟銃の備え付けや警察の確認、近所への聞き込みは自分で対応できますので、実際には家族の手を煩わせることはほとんどないでしょう。
「全てを自身の責任で行う」
「あなたに手間はかけさせない」
そう説明すれば理解も得られやすいと思います。
ただし、どうしても「鉄砲を持っている」ということに対してのイメージの良し悪しはあると思います。
それで家族に迷惑が及ばないようにケアしていきたいですね。
私が猟銃を所持したいと伝えた時の話
私が猟銃を持ちたいと家族に話した時、家族は割と肯定的でした。
父「ええなぁ、俺は婆さんに反対されてなぁ…」
母「えー?危ないで、やめとき?鴨可愛いし殺すの可哀想やん」
兄弟「好きにしたらええんちゃう?でも迷惑かけんなよ」
概ねこんなかんじです。
私はインドア派だったもので、最初に銃を持ちたいと言い出した時は驚かれました。今でも驚かれます
父は祖母に反対されて諦めた経緯があり肯定的でした。
母は今でも消極的賛成であり、心配されています。事あるごとに「やめといたら?」と言われることも。
兄弟はまぁ、長男権限で黙らせました
このように比較的スムーズにコトが運んだのですが、それでも家族会議のようなものはありました。
かなり恵まれた環境であると思いますが、それでも問題がなかったわけではないのです。
日本で銃を持つということの重さを感じる出来事は多かったです。
最後に 諦めるのはもったいない
・冷静に考えをまとめ、感情的にならず的確に説明する
・よくある反対意見には反論の余地がある
・散弾銃はいいぞ('ω')
これが結論です。
私は狩猟、射撃に関わらず銃を持ってみるのは良いことだと考えています。
これまでになかった経験は楽しいものですし、新たな気づきを得ることもできるからです。
頭の片隅にでも銃の所持を考えこの記事にたどり着いたのならば、どのタイミングでも良いのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
家庭の事情で銃を所持できない場合は、銃砲店へ銃を預け、出猟や射撃へ行く時にだけ取り出す【委託保管】という方法もあります。
この記事を読んでくれた人が憂いなく狩猟、射撃にチャレンジできることをお祈りしています。
カエデ
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